レシートは危ない?表面の印字面に存在する危険性とは

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日常生活で当たり前に使われている「レシート」。

あまりにも当たり前に使われているものなので、その安全性を疑う人はほとんどいないかもしれません。

しかし、実はレシートには危険性があるとの報告が以前から複数あります。

本記事ではそのようなレシートの危険性について解説していますので、興味のある方はぜひ最後までご一読ください。

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レシートに使われている紙の正体

買い物などで料金を支払う際、レシートを受け取る方もいるかと思われます。

このレシート、多くが普通の紙ではないことをご存知でしょうか?

実はレシートの多くは感熱紙という紙を使用しています。

感熱紙とは熱で色が変わる紙のことで、簡便で速やかな印字ができ、なおかつインクの補充が不要です。普通紙よりも低コストで印字できるため、各種ラベルやチケット、領収書、検針票、ATMの明細書などに多く使用されています。

感熱紙の特徴

感熱紙は熱によって印字が可能ですが、その秘密は表面に施された処理にあります。

感熱紙の模式図【引用:感熱記録用顕色剤の研究動向 図-1】

感熱紙には感熱層と呼ばれる層があり、感熱層にはロイコ染料や顕色剤、増感剤、画像安定剤などが含まれています。加熱されるとロイコ染料と顕色剤が反応して発色するため、この反応を利用して印字ができるわけです。そのため、感熱紙を使用すると、発色させたい部分をサーマルヘッドで加熱するだけで簡単に印字することができます。

ちなみに、ロイコ染料は発色色相に、顕色剤は印字の安定性などに関与しており、感熱紙のロイコ染料には黒色発色が可能なフルオラン系色素が主として用いられています。

感熱紙の問題点

感熱紙は普通紙よりも簡単かつ低コストで印字ができる便利な紙であり、一見問題はないように思われがちです。

しかし、感熱紙で問題となるのが、表面の感熱層に使われている顕色剤です。

実は顕色剤にはビスフェノールA(BPA)やビスフェノールS(BPS)、ビスフェノールF(BPF)といったフェノール系顕色剤が多く使われています。

ビスフェノールA
ビスフェノールS
ビスフェノールF

ビスフェノールAは内分泌かく乱物質として知られており、その危険性から最近ではほとんど使用されなくなっていますが、ビスフェノールSやビスフェノールFについては今でもよく使われています。

ビスフェノールSやビスフェノールFについても、ビスフェノールAと同程度の内分泌かく乱作用があるとの報告があるため、同様の注意が必要と言えるでしょう。

内分泌かく乱物質は環境ホルモンとも言われており、体内の内分泌物質(ホルモン)の働きに作用し、様々な悪影響を及ぼすと言われています。

ビスフェノール系顕色剤は経皮吸収される

ビスフェノール系顕色剤は経皮吸収されることが確認されており、触れるだけでも体内に吸収されてしまう恐れがあります。

実際、レジ係の人が勤務後に尿中のビスフェノールSを測ったところ、レジ係でない人よりも高レベルのビスフェノールSが確認されたとの報告もあります。(ビスフェノールAについても同様の報告があります)

そのため、レシートについては受け取らない、あるいは受け取ってもすぐに表面(印字面)を内側にして折り、裏面のみに触れるようにするなどの工夫が必要と言えるでしょう。

レジ係の場合には手袋をするなどの工夫で顕色剤に触れにくくなるので、経皮吸収を大きく減らせる可能性があります。(ビスフェノールAに関してはこちらの報告で実証済みです)

【引用:Handling of Thermal Receipts as a Source of Exposure to Bisphenol A Figure】

ちなみに、ハンドクリームを塗るなどして指が脂っぽかったり、指にアルコールが付いていたりするとビスフェノール系顕色剤の経皮吸収率が大きく上昇すると言われているので注意が必要です。

レシートを現金と一緒に財布にしまうと顕色剤が紙幣の表面に移るため、その紙幣からも経皮吸収される可能性があると言われています。また、指でつまんで食べる食物を口にする前にレシートや紙幣に触れていると、そのまま顕色剤の経口摂取につながる可能性も否定できません。

まとめ

普段から当たり前のように使われている「レシート」。

レシートの多くには感熱紙が使われており、その感熱層にはビスフェノール系の顕色剤が多く使われています。

ビスフェノール系顕色剤は内分泌かく乱作用を有することが確認されており、経口のみならず経皮吸収されることも報告されています。長時間触れていると体内に吸収され、場合によっては悪影響が生じる可能性も否定できません。

欧米諸国ではレシートのビスフェノール系顕色剤に対する意識が高く、ビスフェノールフリーのレシートへの転換が進んでいると言われていますが、日本ではそのような傾向は見られないので、レシートの取り扱いには注意した方が良いでしょう。

なお、レシートのみならず各種ラベルやチケット、検針票、ATMの明細書なども感熱紙が多く使用されているため、これらについても注意が必要です。

【参考文献】
1. 感熱記録用顕色剤の研究動向
2. 王子イメージングメディア株式会社 感熱紙って
3. レシートを確かめる?ビスフェノールの皮膚吸収の新たな証拠
4. 感熱紙レシートは、がんや不妊を誘発する物質を含むことを研究が発見
5. レジ打ちの仕事は危険?感熱紙を2時間触り続けるだけで、尿中から検出されるBPA(ビスフェノールA)の濃度が上昇する
6. “맨손으로 영수증 절대 만지지 마세요!”…환경호르몬 체내 축적 2배
7. 「プラスチックを加熱する人」が知らない健康被害 感熱紙レシートや化粧品、加工食品にも注意
8. レシートや紙幣に大量のビスフェノールA、米研究
9. より安全なレシートへ:米小売、BPA・BPSフリーのレシートへの転換が進む

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