意外と見落としがちな「酵母エキス」|どのような危険性がある?

食品添加物
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だしやカップラーメン、スナック菓子などに使用されている「酵母エキス」。

食品添加物に分類されない素材であることから、原材料名を見ても意外と見落としてしまいがちです。

しかし、酵母エキスにはいくつかの危険性があると言われています。

本記事では、酵母エキスの概要や製造方法、危険性について解説していますので、興味のある方はぜひ最後までご一読ください。

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酵母エキスとは

酵母エキスとは、酵母に化学的な処理を施し、その成分を抽出したものです。

酵母にはタンパク質などの成分が多く含まれているため、それを分解処理・抽出した酵母エキスは旨みとなるアミノ酸などを豊富に含んでおり、旨みを呈するのが特徴となっています。そのため、食品に旨みを与える目的として、だしやカップラーメン、レトルト食品、スナック菓子、ドレッシングなどの加工食品に使用されることも少なくありません。

酵母エキスには粉末、ペースト、液体(リキッド)の3つの形状があり、添加する食品に合わせて使い分けられています。原材料名を見ると「酵母エキスパウダー」というものを見かけることがありますが、これは酵母エキスの粉末なので、実質的には酵母エキスと同じです。

ちなみに、酵母エキスは食品添加物と思われがちですが、法令上は食品添加物には分類されず、昆布エキスなど同じように食品として扱われています。原材料名の「/」より前に記載されているので、意外と見落としてしまいがちです。

酵母エキスの製造方法

酵母エキスの製造にあたっては、最初に酵母を以下のいずれかの方法で処理します。

  • 酸処理
  • アルカリ処理
  • 酵素処理

酸処理の場合には塩酸を、アルカリ処理の場合には水酸化ナトリウム水溶液を、酵素処理の場合には「細胞壁分解酵素」と「タンパク質分解酵素」が使用されることが多いです。(昨今では酵素処理が主流と言われています)

このようにして酵母の成分を取り出して抽出したものを、遠心分離機にかけて濾過した後、加熱して濃縮することで酵母エキスの粉末が完成します。

なお、ペーストの場合には濃縮の段階で加工を止めて完成です。

ちなみに、酵母エキスは製造工程で精製処理が行われおらず、これが食品添加物に分類されない理由となっています。

酵母エキスの危険性

酵母エキスは安全な素材と言われていますが、実はいくつかの危険性があると言われています。

以下ではこれらの危険性について詳しく解説します。

味覚が鈍くなる

酵母エキスが危険といわれている主な理由は、味覚が鈍くなる可能性があるためです。

酵母エキスは旨み成分を多く含むため、自然のものにはない強い旨みを呈します。そのため、頻繁に摂取していると食品本来の旨みを感じにくくなり、味覚が鈍くなる可能性があるのです。

酵母エキスの旨みに慣れてしまうと、伝統的なだしなどの味が薄く感じてしまうこともあるかもしれません。

製法によっては発がん性のある副産物を含む可能性

酵母エキスの危険性については、製法によって発がん性のある副産物を含んでいる可能性も指摘されています

酵母エキスの製造では、最初に酵母を酸・アルカリ・酵素処理のいずれかの方法で処理しますが、酸処理では塩酸が用いられ、酵母のグリセリンと塩酸との反応でクロロプロパノール類が生成される可能性があるのです。

クロロプロパノール類のうち、「3-MCPD」と「1,3-DCP」は毒性が高く、中でも「3-MCPD」に関しては発がん性が疑われています。

これらの副産物は酵母エキスに残留している可能性も考えられ、危険性は否定できないとのことです。

ちなみに、クロロプロパノール類の生成については「たんぱく質加水分解物」でも同じことが言えます。

遺伝子組み換え酵母を使用している可能性

酵母エキスの元となる酵母には、遺伝子組み換えの酵母を使用している可能性も

最近では旨み成分が多く産生されるよう、遺伝子組み換えされた酵母が作られており、このような酵母を原料に使用している可能性があります。

これらの酵母はグルタミン酸ナトリウムや肉汁などの培養液で培養されており、とても自然なものとは言えません。

人工的に作られたものであることから、その未知なる影響は心配なところです。

アレルギー表記のきまりがない

酵母エキスにはアレルギー表記のきまりがないという問題もあります

酵母エキスは比較的珍しいものの、アレルギーを発症させる可能性があります。そのため、酵母エキスによるアレルギーが心配な倍場合には、原材料名をしっかり確認しておくことが大切です。

また、酵母エキスの中には小麦の成分を含んでいるものもあり、小麦アレルギーの場合にも摂取に注意が必要になってきます。

まとめ

旨みを出す目的で使用される「酵母エキス」。

だしやカップラーメン、レトルト食品など、幅広い加工食品に使用されているのが現状です。

しかし、酵母エキスには以下のような危険性があると言われています。

  • 味覚が鈍くなる
  • 製法によって発がん性のある副産物を含む可能性がある
  • 遺伝子組み換え酵母を使用している可能性がある
  • アレルギーのリスクがあるが表記のきまりがない

酵母エキスは食品添加物に分類されない素材なので、入っていても「食品添加物不使用」「化学調味料無添加」の表記が可能です。

見落としがちな素材ですが、心配な場合には原材料名をしっかりと確認するようにしましょう。

酵母エキスが入っていない加工食品を見つけるのは現状なかなか難しいので、許容する部分は許容して、ほどよく避けていけると良いですね。

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