保存料「ソルビン酸カリウム」とは?概要や危険性を解説

食品添加物
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多くの加工食品に使用されている「ソルビン酸カリウム」。

食品の保存性を高める効果があることから、昨今保存料として使用されています。

しかし、ソルビン酸カリウムにはいくつか危険性があるのをご存知でしょうか?

本記事では、ソルビン酸カリウムの概要と危険性について解説していますので、興味のある方はぜひ最後までご一読ください。

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ソルビン酸カリウムとは

ソルビン酸カリウムとは、ソルビン酸のカリウム塩のことです。

ソルビン酸(C6H8O2)は脂肪酸の1種で、不飽和脂肪酸に分類される物質として知られていますが、水に溶けにくいことから水に溶けやすくした「ソルビン酸カリウム」という形で食品添加物として使用されています。

ソルビン酸

ソルビン酸は細菌や真菌において細胞膜を通過し、細胞内のpHを低下させることで抗菌作用を示すのが特徴です。そのため、食品添加物としてのソルビン酸カリウムは、食品の保存性を高める保存料として、ハムやソーセージ、練り物(かまぼこ、ちくわ、はんぺんなど)、漬物、ワイン、チーズ、ジャムなどに使用されています。

ちなみに、自然界ではクラウドベリーやナナカマドの果実にソルビン酸が含まれているとの報告があります。

また、ソルビン酸カリウムは防腐剤としても使用され、歯磨き粉やシャンプー、化粧品など日用品にも幅広く使用されているのが現状です。

ソルビン酸カリウムの代謝と危険性

ソルビン酸カリウムは摂取すると腸で吸収され、体内に分配されて同じ炭素数の飽和脂肪酸(カプロン酸)と同様に代謝されます。つまり、ω-酸化によってムコン酸、β-酸化によってクロトン酸を経て、最終的に二酸化炭素と水になるという形です。

その後、代謝された約8割は二酸化炭素として肺から排出され、約1割は尿中にムコン酸やソルビン酸として排泄されると言われています。

【参考】
Pharmacokinetic and toxicological aspects of potassium sorbate food additive and its constituents

しかし、2019年に報告された論文によると、ソルビン酸を摂取すると腸内の善玉菌が死滅して減少し、腸内細菌叢の組成が変化する可能性が示唆されています。

また、ソルビン酸カリウムは単体で発がん性などの毒性を有するほか、他の食品添加物との組み合わせでも発がん性を呈する可能性が指摘されており、中でも亜硝酸との組み合わせが危険であると言われています。ソーセージやハムなどの加工食品はソルビン酸カリウムと亜硝酸ナトリウムの両方が含まれている可能性があるため、注意が必要と言えるでしょう。

まとめ

ハムやソーセージ、練り物など、幅広い加工食品に使用されている「ソルビン酸カリウム」。

細菌や真菌に対して抗菌作用を示すことから、食品に対しては保存料として使用されるほか、日用品に対しては防腐剤として使用されているのが現状です。

しかし、ソルビン酸カリウムは摂取すると腸内の善玉菌を死滅させて減少させるほか、単体、及び他の食品添加物(特に亜硝酸)との組み合わせで発がん性を示す可能性が指摘されています。

そのため、ソルビン酸カリウムに関してはできるだけ避けた方が良いかもしれません。

特にソーセージやハムなどの加工食品にはソルビン酸カリウムに加えて亜硝酸ナトリウムも含まれていることがあるため、原材料名をしっかりと見るなど、より一層注意が必要と言えるでしょう。

ちなみに、以下の記事では亜硝酸ナトリウムについて解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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