防カビ剤「フルジオキソニル」とは?概要や危険性を解説

食品添加物
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防カビ剤として使用されている「フルジオキソニル」。

食品添加物として認可されており、数多くの果物に対して使用されているのが現状です。

しかし、フルジオキソニルには危険性があるとの報告もあります。

本記事では、フルジオキソニルの概要と危険性について解説していますので、興味のある方はぜひ最後までご一読ください。

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フルジオキソニルとは

フルジオキソニルとは、フェニルピロール系の非浸透移行性の抗カビ剤です。

フルジオキソニルは土中生息菌のシュードモナス属細菌(Pseudomonas pyrrocinia)が産生する抗菌性物質ピロールニトリンをリード化合物として、1984年にスイスのチバガイギー社(現シンジェンタ社)によって合成・開発されました。

糸状菌の原形質膜に作用してグリセロールの生合成を阻害し、物質の透過性に影響を及ぼしてアミノ酸やグルコースの細胞内への取り込みを阻害し、抗カビ作用を発揮すると言われています。

日本では1996年に農薬として認可され、水稲、及び野菜類の種子消毒剤、並びに各種野菜類への茎葉処理剤として使用されており、農薬名では「セイビアー」として知られています。

また、2011年には収穫後の農作物に防カビ目的で使用するため、防カビ剤の用途で食品添加物として認可されています。

フルジオキソニルの使用基準

フルジオキソニルは農薬としても使用されており、毒性の高さは周知であることから、食品添加物として使用する際には厳しい基準が設けられています。

フルジオキソニルを食品添加物として使用する場合、その対象と使用量は以下に示す通りです。

対象食品使用量
キウイ、パイナップル(冠芽を除く)20ppm(0.020g/kg)
柑橘類(みかんを除く)10ppm(0.010g/kg)
ばれいしょ6ppm(0.0060g/kg)
アボカド(種子を除く)、あんず(種子を除く)、おうとう(種子を除く)、ザクロ、すもも(種子を除く)、西洋なし、ネクタリン(種子を除く)、パパイヤ、びわ、マルメロ、マンゴー(種子を除く)、もも(種子を除く)、りんご5ppm(0.0050g/kg)

オルトフェニルフェノール(OPP)やチアベンダゾール(TBZ)などに比べると、対象食品が多くなっていますが、それでも使用量を含めて厳しい基準が設定されています。

また、フルジオキソニルを使用した果物については、食品表示法によってその旨を分かりやすく記すよう表示義務が課せられています。袋売りの場合はシールなどに、バラ売りの場合は値札や陳列棚などにフルジオキソニルが使用されている旨の表示が必ず必要です。

フルジオキソニルの危険性

フルジオキソニルの危険性についてはいくつかの報告があります。

シンジェンタジャパンの報告によると、マウスにフルジオキソニルを0.3%(3000ppm)含む餌を18カ月間食べさせたところ、高い頻度で痙攣が発生し、リンパ腫の発生率の増加(30%)が確認されています。

引用:シンジェンタジャパン株式会社 フルジオキソニル 農薬抄録(3/5)t-110 表5

同報告では統計学的有意差は認められなかったとされているものの、リンパ腫の発生率については対照群(8%)と比べて3~4倍に増えており、個人的には懸念事項ではないかと考えられます。

また、厚生労働省の安全データシートには、危険有害性情報の箇所に「強い眼刺激」、「発がんのおそれの疑い」との記載があります。

これらのことから、OPPなどに比べると危険性は低いと考えられるものの、防カビ剤として使用されるフルジオキソニルには危険性があると言えるでしょう。

まとめ

輸入果物に使用されている「フルジオキソニル」。

農薬に加え食品添加物の防カビ剤として認可されているものの、いくつかの危険性が報告されています。

フルジオキソニルは様々な輸入果物への使用が認められているため、表示があるものに関してはできる限り避けた方が良いかもしれません。

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