重曹クエン酸水の効果を科学的に検証!がんの予防・改善に効果はあるのか!?

がん
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ネット上でよく見かける重曹クエン酸水を使った健康法。

効果があるという声がある一方、意味がないという声も見受けられます。

がんの予防・改善にも効果が期待できると言われている重曹クエン酸水ですが、果たして本当に効果があるのでしょうか?

そこで本記事では、重曹クエン酸水の効果を科学的に検証していきたいと思います。

ぜひ最後までご一読ください。

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重曹クエン酸水とは?

まず、重曹クエン酸水とは何なのか、科学的に見ていきたいと思います。

重曹クエン酸水とは、重曹とクエン酸を水に溶かしたものです。

よく中学の実験などで炭酸水を作る実験がありますが、その際にも使われることがあります。

重曹は「炭酸水素ナトリウム」や「重炭酸ナトリウム」などとも呼ばれており、化学式で表すと「NaHCO3」のように表され、水に溶かすと弱アルカリ性を示すという特徴があります。

一方、クエン酸は化学式「C6H8O7」で表され、水に溶かすと弱酸性を示すのが特徴です。

そのため、重曹とクエン酸を一緒に水に溶かすと以下のような中和反応を起こし、クエン酸ナトリウムと炭酸(水に二酸化炭素が溶けたもの)が生成します。

つまり、重曹クエン酸水とは何かと言うと、“クエン酸ナトリウムが溶けた炭酸水”と言えるわけです。

ネット上などでは重曹クエン酸水のことを”ただの炭酸水”と言っている声も見られますが、それは間違いで、正しくは”クエン酸ナトリウムが溶けた炭酸水”なのです。

なお、上記の反応は重曹とクエン酸を互いに過不足なく反応させた場合の話であり、未反応の重曹があれば重曹が、未反応のクエン酸があればクエン酸がさらに溶けた状態になってきます。

※ 水溶液中ではクエン酸ナトリウムは「クエン酸イオン」と「ナトリウムイオン」に、重曹は「重炭酸イオン」と「ナトリウムイオン」に、クエン酸は一部が「クエン酸イオン」に電離して存在しています。

重曹クエン酸水の効果

次に重曹クエン酸水の効果についてです。

重曹クエン酸水には体内をアルカリ性に傾ける効果があると言われていますが、この効果について科学的に確認していきたいと思います。

考えられる各成分の挙動

まず、重曹クエン酸水を摂取した場合の各成分の挙動について考えていきたいと思います。

重曹クエン酸水は”クエン酸ナトリウムが溶けた炭酸水”ということは先ほど説明した通りです。

クエン酸ナトリウムは厳密には水溶液中でクエン酸イオンとナトリウムイオンとして存在しているため、重曹クエン酸水を飲むとクエン酸イオンとナトリウムイオン、炭酸水を摂取することになります。

ナトリウムイオンについてはそのままナトリウムイオンのままなのですが、クエン酸イオンについては胃という強酸性環境下(pHが約1.0)ではHが過剰に存在するため、大部分がクエン酸になります(詳しくはヘンダーソン・ハッセルバルヒの式をご参考ください)。つまり、クエン酸イオンというのは、胃以降ではクエン酸そのものを摂取した場合とほとんど同じ挙動を示すことになるのです。

炭酸水については、そのまま炭酸水を摂取することになります。

まとめると、重曹クエン酸水を飲むということは、ナトリウムイオン、クエン酸イオン(胃以降ではクエン酸と同じ)、炭酸水を摂取するということになります。

考えられるアルカリ化の作用機構

重曹クエン酸水の成分のうち、注目すべき成分はやはり”クエン酸イオン”です。

クエン酸イオンは胃以降では、クエン酸そのものを摂取した場合とほとんど同じ振る舞いをすることは説明した通りです。

十二指腸に達したクエン酸は膵液に含まれる重炭酸ナトリウム(重曹)などと反応し、クエン酸ナトリウムとなって腸管から吸収されます。その後、吸収されたクエン酸ナトリウムは約85%が肝臓で代謝され、重炭酸イオンとして体液(血中や尿中)などを巡るようになるのです。

そして、重炭酸イオン(HCO3)には水素イオン(H)と反応し、酸性度を低くする働きがあります。つまり、重炭酸イオンには体液をアルカリ性に傾ける作用があるわけです。実際、上記で触れた通り重炭酸イオンは膵液にも重炭酸塩(重炭酸ナトリウムなど)が電離した形で含まれており、胃液を中和する働きがあります。

そのため、クエン酸、及びクエン酸イオンを摂取すると、代謝によって生じた重炭酸イオンにより、体液がアルカリ性に傾く効果が期待できます。

それはつまり、重曹クエン酸水を飲むと、クエン酸イオンの代謝で生じた重炭酸イオンにより、体液をアルカリ性に傾ける効果が期待できるということになります。

重曹クエン酸水に期待できる効果

重曹クエン酸水による体内のアルカリ化については、上記で説明した通りです。

科学的に見ても、重曹クエン酸水にはしっかりと体内をアルカリ性に傾ける効果が期待できるものと考えられます。そのため、重曹クエン酸水には体液がアルカリ性に傾くことで得られる多数の効果が期待できると言えるでしょう。

体内をアルカリ性に傾けることで得られる効果には様々なものありますが、有名なものとしてあげられるのが“がんの予防・改善効果”です。

がん細胞は酸性環境下で増殖や転移を起こしやすい特徴があり、体内をアルカリ性に傾けることで増殖や転移を防ぎやすくなります。そのため、重曹クエン酸水を飲んで体内をアルカリ性に傾けることは、がんの予防・改善に効果的と言えるわけです。

実際、マウスを用いた実験ではクエン酸塩を経口摂取させた場合に血清中、及び尿中の重炭酸イオン濃度の上昇と、腫瘍酸性環境を中性化できたことが確認されています。

https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-19K16415/19K16415seika/

また、上記に記載されていることでもあるのですが、尿のpHがアルカリ化(尿の酸性度が低下)することで尿路結石の予防効果なども期待できます。

そのほか、炭酸水を飲むことにもなるので、炭酸水に期待できる疲労回復、便秘解消、肩こりの解消、ダイエット、食欲増進などの効果も期待できます。(※クエン酸にも共通する効果が多いです)

X(旧Twitter)上でも様々な効果の声が上げられているので、ぜひ参考にしてみてください。

ちなみに、重曹クエン酸水を飲んでから2時間後の尿のpHを測ってみると、pHがアルカリ性に傾いていることが分かるかと思います。重曹クエン酸水の体内をアルカリ性に傾ける効果を確認したい場合には、以下のアイテムで実際に自身の尿のpH変化を測定してみると良いかもしれません。

アズワン pH試験紙 スティックpH5.5-9.0 /1-1267-05

重曹とクエン酸の量の補足

重曹クエン酸水の効果については上記で説明した通りですが、未反応の重曹がある場合、あるいは未反応のクエン酸がある場合には、それぞれ成分に重曹、クエン酸がプラスされることになります。

あくまで全て推測の域ですが、未反応の重曹がある場合には重曹クエン酸水の効果に加えて重曹の効果も期待でき、未反応のクエン酸がある場合には重曹クエン酸水の効果が増強される可能性もあり得るかもしれません。

クエン酸ナトリウムは現存するアルカリ化療法剤の成分

重曹クエン酸水の効果について補足ですが、クエン酸ナトリウムについてはアルカリ化療法剤として使われている医薬品「ウラリット」の成分となっています。

https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00057695.pdf

ウラリットの効果については以下の通りです。

  • 痛風並びに高尿酸血症における酸性尿の改善
  • アシドーシスの改善

このように、クエン酸ナトリウムを含むウラリットについても体内をアルカリ化する効果が期待されているので、重曹クエン酸水にも同様の効果があっても何も不思議なことではありません。

重曹クエン酸水とクエン酸水を飲むことの違い

重曹クエン酸水のメインの効果「体内をアルカリ性に傾ける効果」はクエン酸イオンによるものであるため、クエン酸水を飲んでも同じと思われる方もいるでしょう。

確かに、体内をアルカリ性に傾ける効果に着目するのであれば、その通りの部分もあるかもしれません。

しかし、重曹クエン酸水は炭酸水なので、炭酸水の効果も期待できるというメリットもあります。また、クエン酸単体では非常に酸味が強く、なかなか飲みにくいという声も散見されるほか、胃への刺激が強いなどの懸念もあると言われています。

その点、重曹クエン酸水は酸味がマイルドになり、クエン酸水に比べて飲みやすいほか、胃への刺激もクエン酸単体ほど強くありません。

このようなことから、個人的には重曹クエン酸水の方が良いと思っています。

ただし、重曹クエン酸水には重曹の成分としてナトリウムが含まれており、飲み過ぎるとナトリウムの過剰摂取の可能性も考えられるため、その点については注意が必要です。重曹クエン酸水を作る際の重曹は、1日あたり5gくらいまでにしておくと安心かと思われます。

※ クエン酸単体で飲んでも健康効果は期待できるので、もちろんクエン酸単体で飲むのもありです。

重曹クエン酸水クエン酸水
成分クエン酸ナトリウム、炭酸水クエン酸、水
効果クエン酸イオン(クエン酸)による効果
炭酸水による効果
クエン酸による効果
マイルドな酸味強い酸味
懸念点ナトリウムの過剰摂取に注意胃への刺激が強い可能性

おすすめの重曹とクエン酸

重曹クエン酸水を作る際に使用する重曹とクエン酸は、食品添加物規格を満たしたものが安心です。

食品添加物規格を満たしたものであれば純度が99.5%以上なので、不純物が限りなく少なく食用としても安心して使用できます。

ちなみに、重曹には天然重曹と合成重曹がありますが、天然重曹の方が飲みやすいという声が多い印象です。アメリカのナーコライト鉱石に由来するものや、モンゴルのトロナ鉱石に由来するものなどが人気を集めています。

一方、クエン酸に関してはできるだけ国産のものが望ましいので、純国産のものを選ぶと良いでしょう。ただ、純国産のものは人気が高いので、売り切れている場合にはオーストリア産のクエン酸を選んでも良いかもしれません。

なお、重曹クエン酸水を作る際には水も必要になってきますが、ミネラルウォーターの使用を想定している場合には硝酸態窒素を含まないものが安心です。

硝酸態窒素を含まないミネラルウォーターについては以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

まとめ

重曹クエン酸水についてはネットを中心に様々な声があげられています。

その効果の有無については肯定的な意見と否定的な意見とがありますが、本記事で考察してみた限りでは、重曹クエン酸水にはしっかりと効果が期待できそうだということが考えられます。

重曹とクエン酸はネットや店頭などで手軽に購入できるので、健康面で不安がある場合には試してみても良いかもしれません。

重曹クエン酸水については、X(旧Twitter)上でおじひろさんが積極的に情報発信をなさっているので、おじひろさんのX(旧Twitter)もぜひ参考にしてみてください。

本記事の内容が、少しでも誰かのお役に立てていれば幸いです。

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