着色料「カラメル色素」とは?種類や危険性を解説

食品添加物
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着色料として使用される「カラメル色素」。

食品の色を濃くするために使用され、数多くの飲食物に使用されています。

一見安全なイメージのカラメル色素ですが、実は危険性をはらんでいることをご存知でしょうか?

本記事では、カラメル色素の概要と危険性について解説していますので、興味のある方はぜひ最後までご一読ください。

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カラメル色素とは

カラメル色素とは、着色料として使用される食品添加物の1つです。

食品添加物としての着色料には様々なものがありますが、カラメル色素は食品に使用される着色料の中で最も使用率が高く、食品を褐色に着色する目的で調味料や菓子類、飲料など、幅広い加工食品に使用されています。

カラメル色素はその名前から、プリンなどに使用されるカラメルをイメージしてしまいがちです。しかし、プリンなどに使用されるカラメルは砂糖を褐色に焦がしたもので、食品添加物としてのカラメル色素とは別物になります。

そして、カラメル色素には製造方法別に以下の4種類が存在します。

  • カラメルⅠ:糖類を加熱して製造される
  • カラメルⅡ:糖類に亜硫酸を加えて加熱して製造される
  • カラメルⅢ:糖類にアンモニウム化合物を加えて加熱して製造される
  • カラメルⅣ:糖類に亜硫酸とアンモニウム化合物を加えて加熱して製造される

それぞれの特徴については以下の通りです。

カラメルⅠ

カラメルⅠは、糖類(デンプン加水分解物、糖蜜、炭水化物)を熱処理、あるいは酸またはアルカリを加えて熱処理して得られたものです。

糖類を加熱するだけの昔ながらの製法で作られる天然のカラメル色素であり、家庭でも作ることができます。

4種類あるカラメル色素の中で最も安全ですが、製造コストが高く、加工食品にはほとんど使用されていないのが現象です。

カラメルⅡ

カラメルⅡは、糖類(デンプン加水分解物、糖蜜、炭水化物)に亜硫酸化合物を加えて熱処理、あるいは酸またはアルカリを加えて熱処理して得られたものです。

亜硫酸化合物は危険であることから、日本ではその使用が禁止されており,現状カラメルⅡは食品添加物として使用されていません。

カラメルⅢ

カラメルⅢは、糖類(デンプン加水分解物、糖蜜、炭水化物)にアンモニウム化合物を加えて熱処理、あるいは酸またはアルカリを加えて熱処理して得られたものです。

製造コストが比較的安く抑えられることから、食品添加物として広く使用されています。

カラメルⅣ

カラメルⅢは、糖類(デンプン加水分解物、糖蜜、炭水化物)に亜硫酸化合物、及びアンモニウム化合物を加えて熱処理、あるいは酸またはアルカリを加えて熱処理して得られたものです。

製造過程で亜硫酸化合物が使用されていますが、食品添加物として使用されています。

カラメルⅣもカラメルⅢと同様、製造コストが比較的安く抑えられることから、食品添加物として幅広く使用されているのが現状です。

ちなみに、カラメルⅣの製法はコカ・コーラ社が特許を持っています。

カラメル色素の危険性

カラメル色素が危険といわれている理由は、製造方法によって危険な副産物が生成するためです。

カラメル色素の製造に伴う副産物

カラメルⅢとカラメルⅣは、原料にアンモニア化合物が使用されますが、このアンモニア化合物を加えて製造される過程で、4-MI(4-メチルイミダゾール)と呼ばれる副産物が生成します。

4-MI

4-MIは発がん性を有する物質で、2007年の米国国家毒性プログラム(NTP)の報告によると、マウスに4-MIを106週間投与し続けたところ、明確な発がん性(肺胞、気管支の腫瘍)が認められたとされています。国際がん研究機関(IARC)においても、4-MIはグループ2B「ヒトに対する発がん性が疑われる」に分類される物質です。

なお、4-MIが発がん性を有するのは、その化学構造が動物やヒトのDNAに含まれる塩基に似ているためで、DNAの塩基の中に入り込んで構造を変え、その結果、細胞が突然変異を起こしてがん化すると考えられています。

アデニン
グアニン
シトシン
チミン

原材料名からカラメル色素の種類は分からない

このような危険性をはらむカラメルⅢ、カラメルⅣですが、日本ではどの種類のカラメル色素を使用したかを表示する義務はありません

カラメル色素を使用した場合には、種類を問わず「カラメル色素」や「着色料(カラメル)」などと一括表示されるようになっています。つまり、原材料名にカラメル色素の記載があっても、どの種類のカラメル色素を使用しているのかが分からないのが現状なのです。

ただ、カラメルⅠは製造コストが高いことから、加工食品に使用されているカラメル色素はほとんどがカラメルⅢ、カラメルⅣと考えるのが妥当でしょう。

カラメル色素は一見危険な印象の薄い名前ですが、実はほとんどが4-MIを含む危険なカラメルⅢ、カラメルⅣであり、それを多くの人が知らない間に摂取し続けているのが現状となっています。

まとめ

食品を褐色に着色するのに使用される「カラメル色素」。

一見危険な印象の薄い添加物ですが、以下のような危険性をはらんでいます。

  • 製造方法によって発がん性の副産物「4-MI(4-メチルイミダゾール)」が生成する
  • どの種類のカラメル色素を使っているかは原材料名から判断できない

カラメルⅠは天然で安全なカラメル色素ですが、製造コストが高いため、加工食品に使用されいるのは現状ほとんどが4-MIを含む危険なカラメルⅢ、カラメルⅣと考えられます。

メーカーなどに問い合わせれば教えてもらえることもあるかもしれませんが、分からない場合にはできるだけ避けた方がよいかもしれません。

ただ、カラメル色素は多くの加工食品に含まれている着色料であり、完全に避けるのは現状難しいため、ある程度許容する部分は許容し、ほどよく避けていけると良いですね。

【参考】
カラメル色素の食品への利用と安全性
発がん性物質を含むカラメル色素が野放し!

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