天然着色料「ベニコウジ色素」に危険性はある?食品添加物としての安全性を解説

食品添加物
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着色料として使用されている「ベニコウジ色素」。

天然の着色料であり、安全なイメージが強いことから、多くの食品に使用されています。

確かに、合成着色料よりは安全性は高いと言えますが、果たして危険性の報告はないのでしょうか?

本記事では、ベニコウジ色素の安全性について解説していますので、興味のある方はぜひ最後までご一読ください。

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ベニコウジ色素とは

ベニコウジ色素(モナスカス色素)とは、食品添加物の既存添加物として認可されている赤色の天然着色料です。

麹菌の1種「紅麹菌」を培養し、菌体からエタノール水、またはプロピレングリコール水で抽出することで得られます。

主成分はアンカフラビン、モナスコルブリンなどで、これらが培養液中のタンパク質やアミノ酸などと複合体を形成することで赤色を呈します。

比較的熱に強く、pHによる色調変化もほとんど見られないほか、タンパク質への染着性に優れているのが特徴です。一方、耐光性が低く、光によって退色しやすい傾向があり、酸性や高塩性の環境では沈殿が生じることもあります。

原材料名では「ベニコウジ色素」や「モナスカス色素」、「紅麹色素」、「着色料(ベニコウジ)」、「着色料(紅麹)」などと表記されています。

紅麹菌は中国の紅酒や沖縄の豆腐よう(紅豆腐)の原料として使用されているほか、漢方の原料としても使用されています。

ベニコウジ黄色素とは

ベニコウジ黄色素とは、紅麹菌の培養液を乾燥・粉砕したものからエタノール(加温して弱塩酸酸性にしたもの)で抽出し、中和することで得られる黄色の色素です。

通常のベニコウジ色素と同様、天然着色料に分類され、食品添加物の既存添加物として認可されています。

主成分はキサントモナシン類で、キサントモナシンAやキサントモナシンBなどが存在します。

原材料名では「ベニコウジ黄色素」や「モナスカス黄色素」のほか、「紅麹色素」や「着色料(ベニコウジ)」、「着色料(紅麹)」などと表記されています。

ベニコウジ色素の使用基準

ベニコウジ色素とベニコウジ黄色素はそれぞれ食品添加物としての使用基準が定められており、どちらも以下の食品への使用は認められていません。

こんぶ類、食肉、鮮魚介類(鯨肉を含む)、茶、のり類、豆類、野菜、わかめ類

これらの食品は色で新鮮さが判断されることもあり、着色されていると消費者が鮮度を誤認する恐れがあるため、ベニコウジ色素を含む着色料の使用は認められていません。

ただし、これら以外の食品に関しては使用量の最大限度や使用制限などは設けられておらず、各企業がそれぞれの判断で必要最低量のベニコウジ色素を使用できるようになっています。

ベニコウジ色素とベニコウジ黄色素は、それぞれ菓子類や赤飯、水産加工品などに使用されています。

ベニコウジ色素の海外の認可状況

日本では様々な食品に使用されているベニコウジ色素ですが、実は海外ではベニコウジ色素を食品添加物として認可している国はあまりありません。

実際、2024年2月時点では、米国、欧州、中国、韓国、豪州におけるベニコウジ色素の認可状況はそれぞれ以下の通りとなっています。

日本米国欧州中国韓国豪州
ベニコウジ色素×××
ベニコウジ黄色素×××

【参考】JFIA「海外食品添加物規制早見表」

上記の表の中では、どちらも日本、中国、韓国のみ食品添加物としての使用が認められています。

このように、ベニコウジ色素は日本では様々な食品に使用されていますが、海外では食品添加物としての使用をあまり認めていないのが現状です。

ベニコウジ色素の安全性

ベニコウジ色素の安全性についてですが、天然の着色料であることから、合成着色料よりは安全性は高いと言えるでしょう。

しかし、ラットにベニコウジ色素を混ぜた餌を13週間与えた試験では、ベニコウジ色素を5%・7%投与した群で腎細管上皮の壊死が確認されたとの報告がなされています。

また、細菌を用いた復帰変異試験の結果、高用量のベニコウジ色素で陽性の結果が報告されています。

このように、ベニコウジ色素の安全性試験ではいくつか懸念のある結果も出ているので、心配な場合には避けておいた方が良いでしょう。

まとめ

様々な食品に使用されている「ベニコウジ色素」。

天然の着色料であることから、合成着色料に比べれば安全性は高いと言えるでしょう。

しかし、ベニコウジ色素は安全性試験で懸念のある結果も出ているので、心配な場合には避けておいた方が良いかもしれません。

食品への着色は必ずしも必要なものではないので、できれば着色料が使用されていないものを選びたいものです。

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