自然由来の甘味料「アルロース」とは?特徴や安全性を解説

食品添加物
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自然由来の甘味料として知られている「アルロース」。

糖質系の甘味料であるものの、体内でほとんど代謝されないことから、低カロリーの砂糖代替品として最近注目されています。

いくつかの機能性もあるなど、様々な面で有望なアルロースですが、安全性についてどのような報告があるのか、気になる方もいるのではないでしょうか?

そこで本記事では、アルロースの特徴や安全性について解説していますので、興味のある方はぜひ最後までご一読ください。

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アルロースとは

アルロースとは、単糖の1種で、自然界に微量しか存在しない「希少糖」の1つです。

別名「プシコース」とも呼ばれており、果糖(フルクトース)と非常によく似た構造をしています。

アルロース
フルクトース

甘味度は砂糖の7割程度であり、清涼感のある甘味を持つのが特徴です。

なお、自然界ではズイナの葉に数%程度含まれていることが知られています。

アルロースはブドウ糖などと同じ糖質系の甘味料に属し、摂取すると小腸で吸収されるものの、体内ではほとんど代謝されません。24時間以内に99%以上が尿中へ排泄されると言われており、カロリーもほとんどない(1gあたり0.2kcal)ため、低カロリーの新しい砂糖代替品として注目されています。

ちなみに、アルロースは食品添加物としてではなく食品として使用されています。

希少糖は香川大学の何森名誉教授が提案した造語で、「自然界に存在量が少ない単糖とその誘導体」と定義されています。キシリトールやエリスリトールなども含まれ、約50種類存在しますが、これら全てを合わせても自然界での存在量は0.1%程度と考えられています。

アルロースの生産

アルロースはフルクトースを酵素(D-タガトース3-エピメラーゼ)で反応させて生産されています。

また、アルロースはサトウキピの搾汁やショ糖、フルクトースを含む食品を加熱しても生成することが報告されており、以下のような加工食品にも微量のアルロースが含まれていることが報告されています。

菓子製品mg/100g調味料・飲み物mg/100g
カステラ11.0カラメルソース83.0
ようかん11.2黒糖71.1
コーンスナック47.0ミートソース15.8
瓦せんべい27.3デミグラスソース16.3
ちんすこう26.7メープルシロップ57.9
黒飴76.5ケチャップ39.8
黒かりんとう95.6ウスターソース130.6
チョコチップクッキー6.4コーラ38.3
シリアル2.2コーヒー0.5
フルーツジュース21.5
トマトジュース2.4
料理mg/100g果物mg/100g
しょうゆ豆5.7乾燥イチジク29.6
さんまの蒲焼き39.1乾燥キウイフルーツ9.4
切り干し大根の煮物8.1レーズン38.7
納豆7.8白桃の缶詰1.5
みかんの缶詰8.4
さくらんぼの缶詰2.0

【参考】Psicose Contents in Various Food Products and its Origin

アルロースの機能性

アルロースは様々な機能性を有していることが報告されており、香川大学医学部を中心に研究が進められています。

現在までに報告されている主な作用については以下の通りです。

  • 血糖値の上昇抑制作用
  • 抗肥満作用
  • 動脈硬化の防止作用
  • 抗酸化作用
  • 摂食抑制作用

そのため、アルロースは糖尿病や肥満などの予防・改善が期待できる食品素材として大きく注目を集めています。

アルロースの安全性

このような有望なアルロースですが、自然由来の甘味料であることから、合成甘味料に比べれば安全性は高いと言えるでしょう。

現時点で大きな危険性などの報告もないため、適切な範囲で摂取する分には特に問題はないと考えられます。

しかし、過剰に摂取すると下痢や腹痛などを引き起こす可能性があるので、その点については注意が必要です。

アルロースの摂取量上限には個人差がありますが、一般的には1日あたり10~30g程度と言われているので、この量を超えない範囲で摂取するようにしましょう。特に慣れないうちはお腹がゆるくなる可能性もあるので、始めは少量から摂取するようにすると安心です。

ただ、大腸炎のマウスにアルロースを与えた試験では、大腸炎が悪化したとの報告もあるため、大腸炎などの疾患を抱えている場合や体調がすぐれない場合には長期的な摂取は控えた方が良いかもしれません。

まとめ

新しい甘味料として知られている「アルロース」。

摂取しても血糖値がほとんど上がらず、いくつかの機能性も有していることから、有望な砂糖代替品として注目されています。

現時点で大きな危険性などの報告もなく、安全性も高いことから、適切な範囲で摂取する分には特に問題はないと言えるでしょう。

ただし、過剰に摂取すると下痢や腹痛などを引き起こす可能性があるため、その点については注意が必要です。

【参考】
1. 香川大学発の新機能糖質「希少糖」
2. 希少糖普及協会「アルロース(プシコース)」

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