風邪にはビタミンCとエキナセア?風邪に対する効果の有無を紹介

ビタミン
スポンサーリンク

風邪を予防・治癒するために効果的と言われる方法はいくつかありますが、ビタミンCの摂取もその1つと言われています。

今回はこのビタミンCの風邪に対する効果について、論文を交えて紹介していきたいと思います。

また、風邪に効くと言われているものについては、ビタミンC以外にエキナセアというハーブもあるので、このエキナセアの風邪に対する効果についても紹介していきます。

興味のある方はぜひ最後までご一読ください。

スポンサーリンク

ビタミンCの摂取は風邪に効く?

ビタミンCの風邪に対する効果といえば、1970年に出版されたポーリング博士の著書『ビタミンCと風邪』が有名です。

この著書が出版されて以来、ビタミンCの風邪に対する効果については様々な議論がなされており、現在でも議論が行われている状況となっています。

ビタミンCの風邪に対する効果については主に”予防効果”と”治癒効果”があり、予防効果については多くの論文で報告がなされていますが、治癒効果についてはあまり報告がないのが現状です。

そのような中、ビタミンCの風邪に対する治癒効果を報告している以下の論文があります。

https://api.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/399/005_p059.pdf

この論文は、九州大学の学生を対象に行われた、ビタミンC投与による風邪の治癒効果についての報告をしている論文です。

気になる結果ですが、この調査では風邪罹患後に以下の用量・用法でビタミンCを投与することで、風邪の治癒効果、及び症状緩和効果が確認されています。

『風邪罹患の初日に1gを1時間毎に6回 (1日6g)、2~4日目に1gを4回(1日4g)、5~7日目に1gを2回(1日2g)』

しかも、風邪罹患中と治癒後の血漿アスコルビン酸(ビタミンC)濃度も調査しており、風邪罹患中は血漿アスコルビン酸濃度が相対的に低くなる一方、治癒後は血漿アスコルビン酸濃度が相対的に高くなることも確認されています。

これらのことから考えるに、ビタミンCの摂取は風邪の治癒に有効であると言えるのではないでしょうか

ちなみに、ビタミンCの風邪に対する予防効果については様々な報告があり、メタ解析では”効果が期待できない(有意差なし)”との報告がされています。

https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/45496/files/30154

ただ、風邪罹患中と治癒後で血漿ビタミンCの濃度が変化するという報告もされていることから、個人的には風邪の予防効果もあるのではないかと思っています。

こちらのクリニックのブログにも、ビタミンCの風邪予防効果について言及されているのでぜひ参考にしてみてください。↓

カゼとビタミンC - 三上内科クリニックブログ
カゼの季節となりました。カゼの予防、治療に特に必要なビタミンはA、C、Dです。 今回はビタミンCについて説明します。 カゼをひいて医療機関を受診すると、基本的には咳鼻水などの症状を抑える薬が処方されますが、これは原因とな

ちなみに、ビタミンCには「合成ビタミンC」と「天然ビタミンC」がありますが、天然ビタミンCの方が体内への吸収率が高く、より効果が期待できると言われているので、ビタミンCを摂る場合には天然ビタミンCがおすすめです。

ビタミンC以外に風邪に効くと言われているものは?

ビタミンC以外に風邪に効くものとしては、「エキナセア」があげられます。

エキナセア(Echinacea purpurea)はキク科の植物で、数百年前からアメリカ先住民の間で広く万能薬として利用され、現在はヨーロッパや北アメリカを中心にハーブとして利用されています。別名「ムラサキバレンギク(紫馬連菊)」、「パープルコーンフラワー」とも呼ばれています。

エキナセアの主な生理活性物質はアルキルアミド、多糖類、糖タンパク質、フラボノイド、フェノール化合物などであり、中でも多糖類(フコガラクトキシログリカンと酸性アラビノガラクタン)にはマクロファージを活性化し、ファゴサイトーシス(貪食作用)やサイトカインの産生、ナチュラルキラー細胞を活性化するなどの作用が報告されています。そのため、エキナセアは細菌、及びウイルス性の風邪を含む感染症に対して効果が期待できると言われているのです。

実際、メタ解析の結果では風邪予防に対して効果が期待できる(有意差あり)との報告がなされており、エキナセアは風邪予防に効果があると言われています。

https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/45496/files/30154

また、いくつかの報告では風邪に対する治癒効果もあると言われているので、風邪をひいた場合にはエキナセアを摂取してみても良いかもしれません。

エキナセアはハーブティーとして摂取できるほか、サプリメントでも摂取できます。

ただし、エキナセアを風邪予防の目的で摂取する場合には、2週間以上継続して摂取することは避け、2週間続けた後には1週間休むというサイクルで摂取すると良いと言われています。ドイツのコミッションEでも、エキナセアの長期間の継続摂取はエキナセアの効果が薄れてくる可能性があるため、8週間以上継続して摂取することは避けるように警告しています。

また、結核や白血病、膠原病、AIDS、自己免疫疾患などの患者や、免疫抑制剤を使用中の方は摂取を避ける必要があり、キク科アレルギーの方についても注意が必要になるので、それらの点についても注意が必要です。妊娠中・授乳中の方についても、医師へ相談してから摂取した方が安心です。

※エキナセアに含まれるフェノール化合物にはカフェ酸誘導体(カフェ酸、チコリ酸、カフタル酸、クロロゲン酸、エキナコシドなど)が含まれており、このカフェ酸誘導体にも様々な健康効果が報告されています。
・エキナコシド:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1043661823003079?via%3Dihub
・チコリ酸:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9262330/

【エキナセアの文献】
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9102300/

スポンサーリンク
ビタミン
tuyatamagoをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました