ビタミンCには天然ビタミンCと合成ビタミンCがありますが、今回はこの2つのビタミンCの違いについて見ていこうと思います。
合成ビタミンCとは?
合成ビタミンCは工業的に合成されたビタミンCのことで、別名「アスコルビン酸(L-アスコルビン酸)」とも言います。
原料にはとうもろこしが主に用いられ、とうもろこし由来のD-グルコースからD-ソルビトール、L-ソルボース、L-ソルボソン、2-ケト-L-グロン酸を経て合成されます。
参考
https://www.jsmrs.jp/journal/No29_2/No29_2_91.pdf
天然ビタミンCの正体
天然ビタミンCは果物や野菜などから得られる天然由来のビタミンCのことです。
合成のものとは違い、自然界に存在する形でのビタミンCであるのが特徴となっています。
この天然ビタミンCについて、アスコルビン酸であることに変わりなく、合成ビタミンCと全く同じだという声も多く散見されます。
確かに、天然ビタミンCがアスコルビン酸だけでできたものであれば、構造的にも同じなので、合成ビタミンCと同じであると言えるでしょう。
しかし、天然ビタミンCはアスコルビン酸だけからなるわけではないようなのです。
実は、天然ビタミンCは「ビタミンC複合体」として存在しており、主に以下の8つの成分から構成されているとの話が海外のサプリメントの販売サイトなどで記載されています。
- アスコルビン酸
- ルチン
- バイオフラボノイド
- ファクターK
- ファクターJ
- ファクターP
- チロシナーゼ
- アスコルビノーゲン
※これらに加え、一部サイトでは様々なミネラル補因子、およびその他の未発見の成分との記述もあり、完全には解明されていないようです。
アスコルビン酸はあくまでビタミンC複合体の一部であり、体内でビタミンCとして機能するためには他の7つの成分の働きも重要であると言われているのです。実際、ルチン(ビタミンPの1つ)にはビタミンCの吸収を促進し、ビタミンCの体内利用率を上げるとの報告もあります。(自然界ではビタミンCのそばには必ずビタミンPが存在するとも言われています)
つまり、天然ビタミンCはアスコルビン酸が単体で存在しているわけではなく、複数の成分が複合体として存在しており、それらの成分が複合的に作用することで、ビタミンCとしての効果を発揮しているというわけです。
このことから、ビタミンCの効果としては合成ビタミンCよりも天然ビタミンCの方が期待できると言えるのではないでしょうか?
参考
https://rawelements.ca/product/acerola-cherry-powder-pure-vitamin-c-105g/
https://trinityholistic.com/2015/06/vitamin-c-link/
https://sarifoods.co/blogs/news/129938951-the-benefits-of-natural-vitamin-c
https://www.sundanceholistic.jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3-copy-1
サプリメントで摂る場合にはどうする?
ビタミンCには様々なサプリメントがあるので、サプリメントからでも摂取できます。
しかし、上記で説明した通り、ビタミンCは合成ものよりも天然ものの方がビタミンCとしての効果が期待できそうなので、極力天然ビタミンCのサプリメントを摂るのが望ましいと言えるでしょう。
天然ビタミンCはアセロラ、ローズヒップ、シトラスフルーツ、ピーマン、ブラックベリー由来のものが多く、全成分表示には「ビタミンC(アセロラ由来)」などと記載されていることが多いので、これを1つの目安にすると良いです。
なお、天然ビタミンCのサプリメントは合成ビタミンCのサプリメントに比べて数が少なく、値段も高い傾向にあるので、これも探す際の1つの目安になります。
ちなみに、合成ビタミンCの場合は全成分表示に「ビタミンC(アスコルビン酸)」などと記載されていることが多いです。
〇天然ビタミンCサプリメントの例
〇合成ビタミンCサプリメントの例
合成ビタミンCは悪い成分なのか?
合成ビタミンCが悪い成分なのかについては、現時点では分からないというのが正直なところです。
実際、合成ビタミンCを摂取して効果を実感できたという声も多く見られるので、合成ビタミンCでも効果を期待できる可能性はあると言えます。
高濃度ビタミンC点滴でも合成ビタミンCを使用していますが、しっかりと効果が確認されているので、合成ビタミンCも有効と言えるのではないかと個人的には思っています。
ただ、天然ビタミンCと合成ビタミンCには先述したような違いがあるので、ビタミンCの効果としては天然ビタミンCの方が高いと言えるかもしれません。
また、合成ビタミンCは原料に遺伝子組み換えのとうもろこしを使用している可能性があるので、その点についてはしっかりと確認しておくことが大切です。
※合成ビタミンCが有益どころか害になるという報告もありますが、高濃度ビタミンC点滴などではしっかりと効果が確認されているので、これについては正直なところ分かりません。情報があり次第追記したいと思います。
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